2016年 09月 28日
ビートルズ映画(ネタバレありです) |
観賞後、映画館を出てからも、嬌声が鼓膜に残響してました。
というのも、全編を通してビートルズに熱狂する当時の少女たちが
悲鳴をあげるシーンが散りばめられていたからです。
そして映画は、過熱する人気に次第に身を拘束されていく4人と、
自由な発言ですら不可能になっていく苦悩と閉塞感が
解散に結びついた、という感傷的な展開を示します。
そのせいか、本編の、アップル社の屋上での演奏シーンで
早くも制作陣の名前が映像に出てきたときは、
「えっ、これで終わり!?」 と叫びそうになったほどでした。
しかし、このあっけなさや無難さが
伝記としてのビートルズ映画にふさわしい、と思えたのも本当です。
そう、これはドキュメンタリーというよりも
いま生きている人たちが、あえて誰も傷つけず、
誰かを汚しもせずにつくった伝記といえる内容でありました。
だから、作中に登場する当時を語る女優や文化人たちは
おしなべて興奮気味で多弁なのは当然といえますが、
ある作家の抑制を効かせた声での発言には、深く頷いた私です。
「1964年に14歳だったら、誰を求めるだろう?
親じゃない、ビートルズだ」
天下のビートルズの映画ということで
ロングラン上映必至だろうと踏んでいた私の想いは観賞前まででした。
この映画の主旨は、
かつて存在したジョンレノンミュージアムによく似ています。
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by re-air
| 2016-09-28 19:59