2013年 03月 11日
ノックの音が・・・ |
このエキサイトブログには、
自分の “記事ランキング” という機能が付いている。
大勢いるエキサイトブロガーのなかでの順位ではなく、
あくまでも自らの投稿記事のみが対象という、狭い枠でのランキング。
私はずっと、
こんな極小世界が何の意味を持つのかと訝っていたのだけれど、
数日前にアップした「新潟で亡父と遭遇す」との一文が
ランク入りしてることを知ったぶんは、初めて参考になった気がしてる。
“参考” とは、「あ、こういう話をしてもいいのね」てな判断。
そういう根拠で、今夜は我が職場で実際に起こってる奇ッ怪な話をば。
始まりは何年前だったか憶えてませんが、今年になってからは頻回。
それは、職員用の裏口のドアを2回、ノックされるという現象です。
裏口ドアは、診察室から2メートルほどの近い処にあるので
仕事中にノックされると全員が気づきます。
そうして、このドアを叩くのは、
ダスキンさんと医療廃棄処理業者さんと決まっています。
彼らは必ず朝9時前に来るので、こちらも承知しています。
か、時間を問わずに
日にちの間隔もまばらに、このドアをコンコンと2回ノックする奴がいるのです。
最初の頃は、聞こえたノック音は訪問者が叩いたものだと思って
ごくフツーにドアを開けていたものでしたが、
そこには誰ぁれもいない・・・ってなことがつづけば、
皆が蒼ざめた顔を見合わせるようになるのも、ま、当然のなりゆきです。
とはいえ、こうした現象に最も懐疑的なのは私だったので、
確信をもって、こう言っていました。
「これは、きっと鳥の仕業だよ」
キツツキなどが、よくやってるアレ。
(実際に見たことはないけれど)
が、この提唱はすぐさま却下されました。
(そんな童話みたいなことがしょっちゅうあるわけない、と)
で、それからしばらく経って、またノック音が2回聞こえたときは
自信をもって、こう言いました。
「これは、ピンポンダッシュならぬ、コンコンダッシュだよ」
この仮説には、皆が納得してくれました。
往来から裏口ドアまで、ちょっとした距離があるので
コンコンとの音を聞いた私らが蒼ざめているうちに
「犯人」が逃げきってしまえる可能性は大ですから、ね。
いや、ホントのところは、誰ひとりとして
こんな仮説に賛同しているわけではありません。
が、人間、奇ッ怪に接すると、どんなにばかばかしい説でも
納得できる部分があれば鵜呑みにしたいという
心理が作用するものなので。
・・・というか、
不用意に怖がるのはどうかと思うし、
その場にいた全員が聞いたコンコンがリアルすぎれば
ヒトの仕業しかないと見做すしかないじゃあないですか。
そこが “空耳” とは違うところです。
新潟のホテルで聞いたイビキ等は、私ひとりでの世界でしたが
職場の裏口のノックは全員が聞いていますから。
で、そんなこんなの先週の土曜の勤務中。
また、コンコンとドアを叩く音。
ダスキンさんも廃棄処理業者さんもお休みの、土曜です。
「あ、いま、コンコンって言ったよ!」
と私らが確かめあうように、その音を聞いたとき
たまたま、本当にたまたまドアの間際にいたアイちゃんが
いつもドア越しから問う、「どちらさまですか?」 を省いて
ガーッ!! と思いっきり扉を開けたのでした。
この瞬速なら、コンコンダッシュの犯人の、
逃げてゆく後ろ姿は見届けられるでありましょう。
私らをずっとビビらせていた罪なるそやつは
足の速い&イタズラ好きの小学生か、中学生か?
そんな奴、この場で成敗してやるわ・・・てな勢いで
ダッと近寄ったときに私が見たのは、
アイちゃんの、見慣れた蒼ざめた顔・・でした。
「(あんなにもすぐドアを開けたのに)誰もいなかった・・・」
アイちゃんの、その声の暗さが、私らに伝えていたそら怖さは
架空が架空だったことによる戦慄。
と同時に、
この耳から離れぬ、確かなるコンコン音。
(タイトルは、
小学生のときに読んだ星先生の著作から引用させていただきました)
by re-air
| 2013-03-11 22:37